デッサンと模写はどう違う?絵の上達に必要なのはどっち?初心者が陥りがちな考え方

こんにちは!ねこたろうです!(^^)/
今日は「デッサン」と「模写」についてです!
今回は、描き方というよりは 「デッサン」や「模写」の意味やとらえ方について考えてみたお話になります。
メイキングや描き方講座が見たい人にはごめんなさい!(>_<)
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”nekosuke.jpg” name=”ねこたろう”] そもそもデッサンってなに?[/speech_bubble]
辞書的に言うと「デッサン」とは、もともとはフランス語で、鉛筆や木炭などを用いて物の形を描くことを意味します。
日本語では素描とも言いますが、「デッサン」と「素描」では微妙に表している意味や範囲が違うようです。
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”nekosuke.jpg” name=”ねこたろう”] へー[/speech_bubble]
「絵がうまくなるためにはデッサンをしなさい」
「デッサンはすべての基本だ」
と多くの人が言います。
その言葉は確かに間違いないし、圧倒的正解だとも思います。
しかし、基本と言えども、必ずデッサンはしなければならないのでしょうか?
むしろ、基本というからには、なにを置いてもまず始めに取り組まなければならないものなんんでしょうか…?
中には「絵を描くのは好きだけど、デッサンは難しいし、退屈だし、苦手」と感じる人もいると思います。
また一方では、SNSで好きな作品の 「模写」を投稿している人を多く見かけますね。
アニメや漫画の表紙、かっこいい一コマ…それを
原作と全く同じように似せて描く。
それが「模写」です。
「デッサン」も「模写」も、何かを見てその通り描こうとする点では一緒です。
では、「デッサン」と「模写」なら、うまくなるためにはどっちをすればいいんでしょうか?
今回はそこんとこについて僕なりの考えを書いてみました!
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もちろん人それぞれ考え方は違うし、目指しているゴールも理想とする道筋も違います。
なので、ここではあくまで僕の考えを一方的に綴っています!
こういう考え方もあるんだな、くらいの感じで気楽に読んでください(^^
[/speech_bubble]
デッサンは絶対に必要なのか?
「デッサンは絵を描くうえで必要か?」
先に僕の考えを述べるなら…
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初心者には必要ないし、デッサンから始める必要も全くない!
でも、描いているうちに必ず自分から欲する時が来る。
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という感じです。
そりゃ人生なんだって、「できない」よりは「できた」ほうがいいし、
デッサンだって「できる」に越したことはありません。
でも、初心者にもっと必要なのことはただ一つ、「楽しんで続けること」です。
最初はひたすら興味のある物や描きたいものを描いて絵を好きになること、自分の絵に自信を持つことが大事です!
\おえかきたのしーーー!!!!/
これは絵だけではなく、スポーツでもそうですよね?
野球がしたいのに、ただひたすら筋トレばかりしていてもつまらない!
球を投げたり、打ったり、仲間と協力したりするのが楽しいし、それをするのが野球です。
そういった楽しみを覚えて、続けていくのがまず何をおいても第一です!
だから、絵を描くうえで「デッサン」というものは必ずしも必要であるとは思いません。
でも、人は不思議なもので…、
一つのことができるようになると、今度はもっと掘り下げたくなります!
球を投げられるようになったら、次は「もっと遠くに投げたく」なります。
球が打てるようになったら「もっと速い球や色んな球を打ちたく」なります。
…じゃあ、どうすればそうなれるのか?
を考えたときに自然と「筋肉をつける」「動体視力を鍛える」という基礎に帰ってきます。
絵も同じです!
最初は何かを描けること自体が楽しい!表現すること自体が面白い!
でも、もっといろんなものを描きたくなったら、一つ物を極めたくなったら、きっと自分からデッサンがしたくなります!
そうなったときにはじめて、デッサンと言うものに挑戦してみてもいいんじゃないかと思います。
もちろん、美術の学校に行きたいとか、仕事として本格的な技術が必要!
という人は自分の意思にかかわらず練習しなければなりませんが、そうじゃないなら、自分が必要とするまで焦る必要はありません。
絵を続けているうちに、必ずデッサンの必要性を自覚する時は来ます!
それまでは、自分の描きたいものを描きたいように描きましょう!
そもそもデッサンってなんだろう?
どうして絵を描くうえでそんなに「デッサン」が大切だと言われるのか、デッサンって一体何をするのか、どういう効果があるのか…?
やってみるとしても、なにもわからないまま、ただ言われるがまま闇雲にデッサンをしているだけでは苦痛を感じるだけで面白くないと思います。
そこで、デッサンとはそもそもどういうものなのかを考えてみましょう!
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見たものをそっくりそのまま書き写すのがデッサンでしょ?
それって本当に意味あるの?
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僕もそう考えていた時がありました。
「そっくりそのまま写すのは確かに難しいけど、それってそんなに大切なこと?
完璧な絵が描きたいなら、もう写真撮ったほうが早くない?」
いやいや、本来のデッサンで大切なものは「そっくり写された絵」ではありません!
デッサンで最も大切なのは、その過程です!
例えば、リンゴは一見すると「丸くて赤い色」に見えます。
しかし、よくよく見てみると、真ん丸ではなく、凹凸があります。
色も単色の赤ではなく、部位によって濃淡や違う色もあるし、さらに見る角度によって暗い影ができます。
ただ一見しただけでは見過ごしてしまうような些細なことも、しっかり見ることで新たな発見があり、その本質を理解することができます。
これがデッサンの目的です!
「対象物らしさ」を 事細かに”観察すること”がデッサンの最も大切な目的の一つなのです!
そしてもう一つの大切な目的は”表現する力をつける”ことです。
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『絵とは、すべて現実世界のデフォルメである』[/speech_bubble]
誰が言っていたのかは忘れましたが、この言葉を聞いたとき、僕は「絵」というものがどういうものなのかを少し理解できた気がしました!
そして、同時に、デッサンの重要性を意識したきっかけの言葉でもあります。
「絵を描く」という行為は、三次元のものを、二次元に置き換えることです。
でも、その置き換え方は人によって様々です。
同じリンゴを描いても、
ある人は、ただの丸に毛が生えたようなリンゴを描くかもしれないし、
ある人は、写真のように鮮明なリンゴを描くかもしれない。
もちろん、絵に対する技術の高さによって表現できる幅は違いますが、 熟練者同士でもまったく同じリンゴの絵ができることはありません。
では、どうしてそんな差が出るのかというと、表現力が違うからです。
それぞれ、同じものを見ていても、 「見えているもの」が違うし、 「重視しているところ」が違います。
絵というものは、 ”その人”というフィルターを通して3次元から2次元にエンコードされるものなので、人それぞれ出来が違います。
実物のものをどれくらいの精度で再現できるか、うまく「絵」という平面に落とし込めるか、適切な情報量を与えられるか…。
その力を養うことがデッサンのもう一つの目的です。
だから、デッサンが上手な人は、現実にある対象物の細かな形や質感まで繊細に感じ、読み取ることができるし、
それをそのまま絵に落とし込んで表現することができます!
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”nekosuke.jpg” name=”ねこたろう”]3次元(現実にある物)を自分というフィルターを通して解釈し、2次元(絵)に変換するのがデッサン!
そのフィルターの精度を高めるために、たくさんデッサンして練習するんだね![/speech_bubble]
模写は何のためにする?
次は模写についてです!
SNSで絵について画像検索をすると、
「○○のだれだれを描いてみました」と
公式絵をそっくりそのまま書き写した模写絵を目にすることはありませんか?
「すでにある絵をわざわざ全く同じように真似てどんな意味があるの?」
「模写ってオリジナルが描けないからするものなの?」
って疑問に感じることはありませんか?
僕はありました!
また 「デッサンが苦手でも好きな絵師さんの模写をしていれば絵はうまくなるでしょ?」
「だって漫画やイラストの顔は現実のものとは全然ちがうし、別に美術館にあるような写実的な絵を描きたいわけじゃない」
そう考えている人もいるのではないでしょうか?
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”nekosuke.jpg” name=”ねこたろう”]
デッサンと模写はどう違うのか、それについて考えてみました!
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デッサンとかぶる部分もありますが、模写もまた目的は「原作と全く同じ絵を描くこと」ではありません!
完成した絵はいわば副産物みたいなものです。
模写の最大の目的は「原作者のフィルターを理解して、自分に取り入れること」です。
デッサンで言ったように、 絵は現実世界の物をその人のフィルターを通して表現したものです。
特に、イラスト絵や漫画絵などの過度にデフォルメされた絵は、より作者のフィルターが強くかかっています。
この
フィルターのかかり具合を「絵のタッチ」と言ってもいいと思います。
例えば、金髪の長髪美少女を描くとしても、人によって全く違うキャラクターができ上がりますよね。
輪郭や目の描き方、髪の毛の表現の仕方、性格の表し方など…、
作者一人ひとりがそれぞれ違うフィルター(表現技法や趣味嗜好など)を通してキャラを作っているからです。
その一人一人が持つ独自の表現の仕方が「その人らしさ」を生みます。
模写はすでに2次元化された「その人らしさ」を観察し、読み取ることです。
なので模写(その人独自のフィルターを理解)すれば「原作者の絵の解釈を取り入れ、吸収すること」ができます!
簡単に言えば、その人の絵柄を自分のものにできる、ということです!
しかし、その意味を理解しないままにただただ模写を繰り返していても、それは頭を使わない単調な作業と同じです。
模写をするときもデッサンと同じで過程を大切にしましょう!
「現実の手を、この絵師さんはこんな風に表現している」
「ここに線を引くことで(または線を省略することで)こんな風に見せている、見せることができる」
「鼻をこんなふうに描くとかわいく見せることができるのか!」
など、原作者の ”表現” や ”解釈” を読み解きながら模写をすれば画力も飛躍的に向上させることができます!
こんなときに模写・デッサンをしてみよう
デッサンや模写の意味について長々と綴りましたが、
「結局どっちがいいんだ?」と迷ったときは、
あなたがどんなことを知りたいか、どんな力をつけたいかで選んでみてください!
こんなときはデッサン!
- 描きたいものの構造が知りたいとき。
- 自分の表現の幅を広げたいとき。
こんなときは模写!
- 特定の人(好きな絵師さんとか)の絵柄に近づけたいとき。
- マンガやイラストなどで、他の人が(特定の部位などを)どのように表現しているのかを参考にしたいとき。
おわりに
今回はデッサンと模写の違いや意味についてでした!
そもそも、どちらか一つを選ぶ必要はなく、デッサンも模写もバランスよくやってみることをおススメします!
僕もずっと
「デッサンをする上で求められる技法」と、
「漫画やイラストに求められる技法」は
全く別物という認識で、小さい頃は好きなマンガの模写ばかりしていました。
しかし、デッサン(写真でしたが)をしてみると、びっくりするくらい気づくことがたくさんありました!
「え?足ってこんな曲線になってるの!?」
「手の平って意外と大きい!」
「背中ってまっすぐじゃないんだ!」
さらに、そのあと模写をすると今まで以上に色々なことに気づけました。
「この人は指をこんな風に描くんだ!」
「ここの線は、実際のこの部分を省略してあるのか!」
「この絵柄にはこれくらいのバランスがちょうどいいのか!」
一度、誰の表現も含まれていない「実物」を書いてみると、絵の中にあるその人の表現やクセ、工夫がよく見えてきます。
そして、それを見つけて模写(真似)することで、画力は飛躍的に上がります!
しかし、なにを置いてもまずは 「見る」!
コレに尽きます!
「実物をなにも見ずに書けるほうが良い」とか
「模写しすぎると個性がなくなる」という人もいますが、
それは全くのでたらめで嘘です。
まずはどんどん色んなものを見て、表現に触れ、自分の中の引き出しをいっぱいにしていきましょう!(^^)!
以上、ねこたろうでした!